一般皮膚科・小児皮膚科

Dermatology

アトピー性皮膚炎

皮膚の炎症をすばやく、そして確実に抑えることが大切です。日本皮膚科学会の診療治療ガイドラインに基づいて、抗炎症外用薬(ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬)と保湿外用薬を主として治療を行います。皮疹の部位や重症度に応じた外用薬の使い分けや抗ヒスタミン薬内服、日常生活環境の中の症状を悪化させる要因の除去などにも配慮しながら、症状を改善させていきましょう。
重症の場合には、生物学的製剤(抗IL-4/13抗体・デュピクセント注、抗IL-31抗体・ミチーガ注)、光線療法、免疫抑制剤の短期間の内服なども行います。新しい治療薬・治療方法の開発が進んできていますので、そういった情報提供や早期の導入にも努めます。最終的には保湿剤だけで日常生活に支障がない程度まで安定させる(寛解)状態を目標にします。

ニキビ(尋常性ざ瘡)

皮脂分泌の増加、毛穴のつまり、アクネ菌の増殖が関係しています。ニキビの状態によって効果的な治療法は変わります。抗菌薬、外用レチノイド剤(毛穴の詰まりをなくしたり、炎症をおさえたりします)、ビタミン剤、漢方薬などで治療します。保険外治療となりますがケミカルピーリングやイオン導入が効果的な場合もあります。「はやくきれいに治す」を目標に、スキンケアも含め丁寧に治療いたします。

尋常性乾癬、関節症性乾癬

頭・腰・四肢など擦れやすい部位に皮疹を生じやすい炎症性角化症です。ビタミンD3外用薬・ステロイド外用薬による治療や紫外線治療を主として行います。皮疹を広範囲に生じる方、関節症状がある方などは、内服薬(PDE4阻害剤、レチノイド製剤、免疫抑制剤)を用いた治療を行うことがあります。
近年、炎症を引き起こす特定の物質の働きを抑える注射薬(生物学的製剤)が数多く使えるようになっており、重症の方の治療に使われています。それらの治療が必要と思われる方は、生物学的製剤使用承認施設である近隣の基幹病院へご紹介させていただきます。

蕁麻疹(じんましん)

抗アレルギー薬内服を主とした治療を行います。重症の場合は短期間のステロイド内服や点滴治療を行います。生物学的製剤(抗IgE抗体・ゾレア)注射による治療も可能です。
慢性型の蕁麻疹(1ヶ月以上つづく)は原因が特定できない特発性蕁麻疹が少なくないと言われていますが、口腔アレルギー症候群や特殊な蕁麻疹の発症機序がいくつも解明されてきています。必要に応じて、原因の検索のための採血検査を行うことがあります。

接触皮膚炎(かぶれ)

アレルギーによるものが多いですが、アレルギーでない刺激性の場合もあります。必要な場合はパッチテストなどの検査を行います。

足白癬・爪白癬(水虫)

白癬菌というカビ(真菌)の感染によって起こります。水虫かどうかの診断には皮膚や爪の一部を採取し顕微鏡で白癬菌の有無を確認することが必要です。一見、水虫のように見えても実は湿疹である場合もあり、市販の水虫治療薬でかぶれを起こしてから受診される方もいらっしゃいます。主に外用薬による治療を行いますが、爪水虫では内服治療が必要になる場合があります。

尋常性ゆうぜい(イボ)

パピローマウイルスの感染により生じます。液体窒素による凍結療法を行います。難治の場合は、モノクロロ酢酸外用、ヨクイニン内服など、その他の治療法も随時取り入れていきます。1回で完治することは難しく、複数回の治療が必要になることが多いです。根気強く治療を続け、完治を目指しましょう。

伝染性軟属腫(水イボ)

軟属腫ウイルスの感染によって生じます。アトピー性皮膚炎やドライスキンのある方では、皮膚のバリア機能が弱まっているために全身に多発してしまう場合があります。局所麻酔薬テープ(ペンレス)を用いた痛みの少ない治療を行っています。

円形脱毛症

髪の毛は一定の周期で抜けたり生えたりを繰り返しますが、突然に一部分の毛が同時に抜けてしまうことがあります。免疫の異常によって自己の毛の細胞を間違って攻撃してしまうことで発症すると考えられています。飲み薬やステロイド外用薬、紫外線治療やSADBEによる局所免疫治療を行います。重症では急激に拡大してステロイドパルス点滴治療が必要になる場合があり、その際には近隣の基幹病院へ御紹介いたします。
2022年6月、脱毛が広範囲で難治性の円形脱毛症に対して、経口JAK阻害内服薬のオルミエントが適応追加となりました。これまで有効な治療法が無く悩まれていた重症難治性円形脱毛症の方の治療の一助となることが期待されています。

帯状疱疹

身体の左右どちらか一方に赤い斑点や水ぶくれが帯状にあらわれます。神経痛のようなピリピリした痛みを伴うのが特徴です。子どもの頃に罹った水ぼうそうのウイルスの再活性化によって起こります。主に抗ウイルス薬の内服治療を行います。痛みには消炎鎮痛剤などを併用します。後遺症として帯状疱疹後神経痛が残ることがあり、早めの治療が肝要です。

帯状疱疹予防接種

帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象にしたワクチンがあります。
水ぼうそうに罹った事がある人は、既にウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。
当院では2種類のワクチンを取り扱っています。
「乾燥弱毒生水痘ワクチンは」は1987年に水ぼうそうワクチンとして認可され、2016年に帯状疱疹にも適用拡大されました。帯状疱疹の発症率を約50〜60%減少させ、発症した場合にも症状を軽くする効果があるという報告があります。 「シングリックス」は2018年に承認された帯状疱疹用の不活化ワクチンで、50歳以上の方の帯状疱疹発生抑制効果は97.2%と報告されています。

腋窩多汗症

特別な誘因なく、日常生活に支障がでるほどワキの多汗が生じる状態を「原発性腋窩多汗症」といいます。
【外用薬】
汗腺に発現するムスカリン受容体をブロックする保険適応の治療薬剤としてエクロックゲル、ラピフォートワイプがあります。
塩化アルミニウム液は、汗管を閉塞させ制汗作用を発揮します。自費診療薬となります。
【内服薬】
抗コリン薬(プロバンサイン)や自律神経を調節するグランダキシンなどを用います。保険適用になります。
【ボトックス注射】
腋窩にボトックスを直接注射する治療法です。交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックし、発汗を抑えます。

AGA(男性型脱毛)

思春期以降に額生え際や頭頂部の髪がどちらか一方、または双方から薄くなり徐々に進行していくのが特徴です。細く柔らかい毛が多くなり、全体として薄毛が目立つようになります。進行を抑えるためには早めのケアが大切です。ザガーロ錠やデュタステリド錠、フィナステリド錠を処方しております。自費診療となります。

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